今回は新しいシリーズを始めたいと思います。その名も、

「ドラマー的ディスクレビュー」

世の中に数あるの名盤の数々をドラマーの目線からレビューして、リズムが優れているアルバムをドラマーの読者の皆さんに紹介しようという企画です。自分の気に入ったアルバムだけを紹介していくつもりなので、5点満点で評価とかはしません。全部満点です。

記念すべき第一回は日本の若き才能編です。

最近、シティ・ポップというジャンルが邦ロック界隈で盛り上がっていますよね。

シティ・ポップというジャンルは非常に定義が曖昧で、はっきり言って適当だと思うんですけど、そこら辺の話は音楽全般を扱うブログとかに任せて、今回はそこら辺の界隈のバンドのアルバムでリズムが素晴らしいと思った2枚、「fam fam」、「D.A.N.」をレビューしていきたいと思います。

1,「fam fam」never young beach
fam fam
never young beach
Roman Label / BAYON PRODUCTION
2016-06-08


まず一枚目はnever young beachの2ndアルバム、fam famです。ドラマーは鈴木健人が努めています。

アルバム全体、このバンド全体を通して言えることなんですけど、彼は消して難しいアプローチはしないんですけど、自然と体が動いてしまう様な、乗れるリズムを叩きます。彼のリズムは全体的にめちゃくちゃハネていて、スネアやタムの16部連打などのフィルインまで、かなり跳ねています。


アルバムの最初、1、3,5曲目あたりでは、ハネた16ビートの曲が続きます。これらは横乗り系のリズムをしていて、ゆったりと乗れる感じです。ライブではフジロックなどの野外フェスでまったり聞きたい曲です。


そして、私が個人的に好きなのは4曲目のタイトル曲、fam fam、8曲目明るい未来、そして9曲目でアルバムの最後を飾る、PVは小松菜奈の出演で話題にもなった、お別れの歌です。

これらの曲はどれもアップテンポで跳ねた8ビートのリズムの曲で、ボーカルの安部勇磨のメロディライン、ギターの阿南智史の泣きのギターソロも相まって、メチャクチャ乗れます。観客がパンパンに詰まった小さいライブハウスで是非聴きたい曲です。

その他の曲も良い曲ばかりで、捨て曲がない素晴らしいアルバムです。

2枚目 「D.A.N.」 D.A.N.
D.A.N.
D.A.N.
SSWB / BAYON PRODUCTION
2016-04-20


そして2枚目はD.A.N.のファーストアルバムにしてセルフタイトルアルバムのD.A.Nです。ドラマーは川上輝です。

全体的にクラブミュージック、ブレイクビーツなどを意識したような曲調でドラムに関して言えばバスドラムはベージックな4つ打ち、ハイハットが裏で入って、スネアで細かくずっとハネたゴーストノートを入れているようなリズム、もしくはシェイクのパターンが多いです。

そしてもう一つ特筆すべき点は、ドラマーを始めパーカッショニストなら「オッ!」と思うであろう、20世紀にカリブ海の国で生まれたという楽器、スティールパンの使用です。

D.A.N.の音楽はベースとドラムで築き上げた土台にシンセサイザーとボーカルが乗っかってくる様な音楽なんですがシンセサイザーの幻想的な音にスティールパンの音色が違和感なくハマり素晴らしいです。きっとパーカッションに興味がない一般の人が音源だけ聞いたら、シンセサイザーの電子音だと思ってしまうでしょう。

個人的にピックアップしたいのは2曲目Ghana、7曲目Curtainです。


2曲目Ghanaは四つ打ちの裏打ち系のリズムなんですけど、その合間に入ってくるタムのようなサウンドがパーカッシブで素晴らしいです。

また、サビのドラムパターンが右手で裏打ちを叩きつつ、左手でハンドクラップで別のリズムを叩くということもやっています。クラップ音をカウベルなどに置き換えればたまに聴くタイプのリズムで、決して特別なことではないですが、こういうタイプの曲を聞いたときはグっとくるものがあります。



7曲目のCurtainは最初はハイハットとバスドラが四つ打ちでその間にスネアが入ってくるレゲトンと呼ばれる音楽のリズムパターンが使われています。このリズムではアクセントがオモテに入っていますが、途中から裏打ち系のリズムパターンに代わり、アクセントがウラに切り替わることによって、ノリが変わって曲に奥行きが出ています。

また、リズムの話からは一旦離れますが、この曲は7分弱あって長いんですがサビは一回しか出てきません。途中まで焦らして焦らして、あとでメロディアスなサビでを持ってくる曲構成は素晴らしいです。

ここでは言及していませんが、3曲目のNative Dancerや最後の曲のPoolなども素晴らしいので是非聞いてみてください。